野の花たち  Vol.02

「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」(劉廷芝『白頭を悲しむ翁に代わる』)
Vol.01


コシオガマ(小塩竈)−Phtheirospermum japonicum − 2007/10/20
ゴマノハグサ科
コシオガマ(小塩竈)−Phtheirospermum japonicum −
10月も半ばになり、木陰に入るとずいぶんと涼しくなりました。9月の末から稲刈りを始めた我が家の田んぼは、ようやく本日、天日干しのために稲木(いなぎ)に架けていた「香りもち米」を脱穀し、すべての稲作の収穫が終了しました。

やれやれと思ってあがってきた田の岸に、ピンクのコシオガマたくさん咲いていました。
そんなに大きな花ではありませんが、茶色に変わっていく風景の中で、少女のような初々しさを湛えた花です。

イネ科の植物の根に寄生しながら、自分でも光合成をして養分を作る植物だそうです。

人の命を守る「米」を作った稲に守ってもらい、自分自身でも養分をたくわえ生きていくこの花に、たくましく生きる男性に思いを寄せ、しかし自分自身もたくましく生きる女性の姿を感じました。

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