超高齢化になり、限界集落となったこの地域が、今後も存続維持されていくためには、内部努力(地域の力)だけでは到底無理であり、外部の力を導入しなければ、地域の存続は保てない。そこで当プロジェクトで目指すものは、地域外との交流を継続することで外部の力を地域内に流入させ、存亡の危機にたった中山間地を存続、活性化させることにある。
このような「存亡の危機にたつ中山間地を救う」ことは、ただ単に、そこに住む者やそこをふるさとにもつ者のアイデンテティを守るというだけでなく、中山間地域のもつ他面的自然環境を守り、ひいては国土を保全していくことにつながるのである。
しかし外部の力を借りると一言で言っても簡単ではない。ボランティアを期待してもそう多くは望めない。交流を促進するといっても、地域に魅力が無ければ人は足を運んでくれない。こちらからいくら「いいところだ」と言ってみたところで、他所の人が魅力を感じるわけではない。
外部の人間に地域に眼を向けてもらうためには、地域に住む者自らが地域の価値に気づき、自身が輝く人間になること、そして地域に住むことへの自信と誇りを持つことである。当地区はそのための素材として、「ハーブ」を選択した。
「ハーブ」という素材は、香辛料やお茶など食の素材としてだけでなく、入浴剤やアロマテラピーなどのメディカルハーブとしての需要も高まっている。ハーブの利活用を好むのが特に女性であることも近年の傾向である。
高齢者ばかりの中山間地で栽培されたハーブが、近代的なホテルで使用される、あるいはホテルのオリジナル商品の素材として流通することになれば、その産地に人々の目線が行き、地域は注目されるはずである。注目されれば人々は自身と誇りを持って元気になる。元気な高齢者が増えれば、若い世代が後に続く希望が生まれる。その好循環を生むこと、このプロジェクトの最大の目的はそこにある。
外部の力を導入する最初のきっかけはまず地域に目を向けてもらうこと。
ハーブ栽培、ハーブを素材とした商品の流通は、そのきっかけになるものと思われる。 |